※挿入した画像は、すべてケータイ画像ですので、あまりきれいじゃありません
居間の本棚(中)、棚№1。
「挿花初学養草」千松庵 一樹 版元:和泉屋市兵衛 天保6年
千章堂書店より、3,800円で購入。
わが家にある、唯一の「江戸時代の本」である。せっかくなので、書影を貼ってみよう。

当然だが、和綴じ本である。もちろん、木版。
私は、古い華道書など集める趣味は無い。ことに、本書のような「基本解説」みたいなものは、面白みが薄いので興味もあまりわかない。立花図集ならば、まだちょっと興味を持たないでもないが、そういうものを買うとしても、安い復刻本でかまわない(それすら買ったこと無いけど)。では、なぜ本書を買ったかと言えば、多分古書市の目録で見て
「おー、安い安い」
と思って、ほとんど遊びで注文したものと思われる。
そんな動機で注文したので、ほぼ未読のまま本棚の肥やしになってしまっている。
私は、本当を言えば、このような本は買っても読めないんじゃないかと思っていたのである。しかし、がんばって読む気になれば、結構読めるようだ。

木版の刷りがきれいだし、振り仮名もあるので、「太刀打ちできない」ような書物ではない。しかし、読もうとすると、ストレスはそこそこ感じる。
かなり実践的な興味を持って見てしまうのは、こういうページである。

花の留めをどうしようと思うのは、昔も今も変わらない。
しかしなあ、前の持ち主さんは、この本を読んでお稽古したりはしなかったんじゃないかな? だって、妙に本の内部がきれいなのだ。買ったはいいものの、結局開かずに仕舞いこんだんじゃないか? 私に持たせたら、こんな美本ではいられないはずである。

こういう、いけばならしい図も載っている。
本書を著した千松庵 一樹なる人は、遠州流の人らしい。現代の感覚からすると、
「タイトルに遠州流って入れたほうがいいんじゃないの?」
と思うが、確実に遠州流の人しか入手しないしできないような本だったのかもしれない。

本書で、私が一番興味を持って見たページは、この奥付であったかもしれない。
これを見たところでは、初版は文政元年に出ている。本書は、天保6年に泉市が版権を買って出したものである。
天保6年といえば、天保の大飢饉の後でいいのかな? 学校で習った天保の大飢饉は、江戸のような都会にもダメージがあったということだったと思うが、このようにお稽古花の本もちゃんと出版され、買う人がいたということだ。
泉市は、版元としては超有名とは言えないが(蔦屋とか、鶴喜に比べると格下だと思う)、しっかり初代豊国をつかまえているような本屋である。
本書が、泉市の財産を増やすことに貢献したのかどうか、私は知らない。しかし、そこそこ部数が出た本ではないかと思っている。なぜなら、海外のいけばなマニアの人のサイトで、本書を見たことが少なくとも2回あるからである。


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