居間の本だな(中)、棚№1。
「『花』が語る日本史」森谷尅久 河出書房新社 1997年1月24日 初版 1800円
古本で購入。かすかに、鉛筆で「400」と書いた跡があるので、多分400円だったのだろう。
本書は、元は産経新聞に連載されたものらしい。いけばな史の書籍としては、日本一読みやすくて面白いと、私は思っている。(一般読者を想定したからだろうか)
いけばな創生期に、それが飾りよりも霊的なものであった時代から、近代のいけばなブームまで、代表的ないけばな家にスポットをあてつつ、歴史の流れと共にドラマティックに描いている。
いけばなを「埃をかぶった古臭いもの」とお考えの人には、ぜひこの本を読んでいただいて、いけばなの大河のごとき歴史が、「ずいぶん前に止まったもの」でなく、今日まで連続して躍動し続けていることを知っていただきたいものだ。
いけばなは、生まれたときには、祈りであり、捧げものであった。
それが、あるときには権力誇示の道具となったり、酒の席のなぐさみものになったりしながら、遊びと装飾の要素を備えていき、現在では表現の手段にまでたどりついた。
その道筋は、偶然のものであったか、それとも、必然のものであったか、私には分からない。
しかし、いけばな界の末端に関わる人間として、それが常に人の喜びと共にあったことを信じたい。


コメント