怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女

居間の文庫本棚の、三段目・右から29番目。

「怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女」角川文庫 昭和50年10月20日 初版 380円

古本屋で購入したはずだが、値段は不明。4ケタで見かけたこともあるが、たしか3ケタで購入したはず。
「吸血鬼と魔女」をテーマにしたアンソロジー。収録作品は、

「猫の影」ロバート・ブロック
「墓場からの帰還」ロバート・シルヴァーバーグ
「恐怖の来訪者」トマス・プレスケット・プレスト
「眠れる都市」マルセル・シュオッブ
「噛む」アントニー・バウチャー
「メリフロア博士の最後の患者」ミンドレッド・ロード
「オルラ」ギィ・ド・モーパッサン
「マグナス伯爵」M・R・ジェイムズ
「葦毛に乗った女」ジョン・コリア
「血は命の水だから」F・マリオン・クロフォード
「妖虫の谷」ロバート・E・ハワード
「分裂症の神」クラーク・A・スミス
「夜の風が吠える時」L・スプレイグ・ドキャンプ フレッチャー・プラット
「魔女戦線」リチャード・マシスン
「ヘンショーの吸血鬼」ヘンリー・カットナー
「吸血鬼の告白〈ノンフィクション〉」ジョン・ヘイグ

以上、16編。
この中では、私は「血は命の水だから」なんかが好みだ。月の出る晩になると、遠くに見える墓の上に、死体が横たわっている姿があらわれる。その場所に行くと、実際には死体は無い。しかし、そこに行った人を、遠くから見ると、死体がその人に取りすがって立ち上がろうとするのが見える、という、こうして文字で書いていても、ひしひしと怖い話しなのである。
不思議なのは、この怖さが、なぜかそれほど「邪悪」な印象に結びつかないことだ。
読めば分かるが、「怖い」って言うよりか「さびし~~い」ような感じの文なのだ。だから、怪談が嫌いな人でも、「血は命の」などは、読んでも平気だと思う。「さびしさ」に共感できない人間は、まずいないだろうから。

管理人の別ブログに、「血は命の水だから」の記事があります。

血は命の水だから
F・マリオン・クロフォード(Francis Marion Crawford)作※ネタバレしています南イタリアに、塔のある別荘を持つ男が、ある日その家に友人を招いた。夜になり、塔から外を見ていた友人は、近くにある塚に月光がさし、その上に死体が…

私が思うに、大抵の怪談は、「恐怖」よりも「哀れ」を誘うものである。「牡丹燈篭」なんて、哀切だもの。吸血鬼映画なんて、切なくて泣く人がいるくらいだもの。
「恋愛小説は好きだけど、ホラーは嫌い」というのは嘘だ!と私は思っている。怪談というのは、本質的にはメロドラマなことが多いのである。

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