アメリカ銃の謎

居間の文庫本棚の、上段右から19番目。

「アメリカ銃の謎」エラリー・クイーン 井上勇訳 創元推理文庫 1978年11月10日 35版(カバー欠にて定価不明)

クイーンの国名シリーズの中でも、「読みにくい」ことで有名な一冊。
私は子供の頃に、国名シリーズは、大抵のものを3回以上は読み返しているのだが、「アメリカ」だけは、一度読んだきりどうも手が出ず、再読は大人になってからである。(ミステリとして完成度は、決して低くないと思うが)
私は、自分が個人的に「アメリカ銃」を好きじゃないのだと、ずっと思っていたが、誰にとっても「読みにくい」ものであることを、ミステリの集まりに出るようになってから知った。
子供の評価って、バカにできませんな。

で、大人になってから、どうしても一度「大人視線」で読むべきだと思い、恐る恐る読み返したら、なんと意外にすらすら読めて、それを機会にカバーが傷んで無くなるほど愛読してしまった。

何が読みにくいのかと、つらつら考えるに、やはり物語の構成と題材でしょうな。
舞台は派手なんだけどねえ。往年の映画スターのカムバック公演で、スター本人が殺されてしまうのだ。
それも、大入り満員のコロシアムの中で、演目の馬群疾走シーン(西部劇スターなので)の最中に射殺されてしまう。満員の客席から誰が撃ったやら、てんで分からんという、クイーンお得意のシチュエーションである。
悪くないストーリーだとは思うのだが、色んな謎が、小出しにされていく過程が、どうもダレる感があり、ノれないままに読むと厳しいかもしれない。
この作品では、子供向けのミステリ解説本で必ず紹介される「意外な凶器の隠し場所」が描かれている。しかし、私は「そういう凶器の隠し場所があり得る」と知っている状態で読んだのに、まさかこの作品がそうだとは、最後まで気づかなかった。でも、勘のいい人は気づくかもしれない。

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