居間の本だな(中)、棚№2。
「花前花後」安部豊武 八坂書房 昭和55年3月31日 初版 5800円
神保町の小宮山書店で購入。値段は忘れたが、安かったはず(1000円くらいじゃないかな?)。
本書は、安部豊武氏の、いけばなエッセイ、対談、座談集である。本書の文は、「○○でございましょう」などという言葉で書かれているので、2010年の今日に読むと冗長なところがある。しかし、それでも文としては読み易い方だと思う。豊武先生のいけばな論は、なかなか難解なところがあるのだが(難解が好きな人だったのか、好きじゃないのに難解にしかできなかった人なのか、いくら考えても分からない)、面倒な文を読むのが嫌いな人にも、放り出されないような本になっていると思う。
私は、本書の中では、対談と座談会が特に興味深い。特に、勅使河原蒼風との対談、重森弘淹、工藤昌伸、下田尚利との座談が興味深い。じ~っくり読むと、どの皆さんとも、豊武氏は噛み合っていないところがあるのだ。最もかみ合っていない相手は、勅使河原蒼風である。
そして、驚いたことには、もっと軽度な「噛み合い不全」は、小原豊雲との対談にも見られるのだ(豊武先生は、小原の人です)。
私は、豊武氏は、真に伝えたいことがもっとほかにあったんじゃないかと思う。その「核心部分」を、どんな理由でか分からないが、伝え損なっているのではなかろうか。多分、ここに収録されている対談、座談会の後には、もどかしくて、悔しくて、眠れなかったんじゃないかと思う。
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