シャーロック・ホームズ対ドラキュラ

書斎の本だな(小)。

「シャーロック・ホームズ対ドラキュラ」J・H・ワトスン ローレン・D・エスルマン編 日暮雅道訳 河出文庫 1992年4月4日 初版 590円

古書で購入。いつどこで、いくらで買ったか不明。20世紀だったかもしれない。

本書は、イギリスにやってきたドラキュラ伯爵が、ヘルシング教授ばかりかホームズともやり合っていたというパロディである。
私はミステリファンであり、ホームズ大好き人間である。そして、それ以上にドラキュラ大好き人間である。
つまり、私にとって本書は大好物が二つそろったご馳走になるわけだが、読む前から全然期待していなかった。理由は、だれかが酷評していたからだ。それも、だいぶひどい酷評だった。「駄作中の駄作」という評価だったと思う。
多分、私が信頼している読書家の評だったのだろう。それを読んだ私は「大好物2点盛り」の本書を読みたい気持ちが、スッと冷めてしまったのである。

しかし、吸血鬼書は、とりあえず一回は入手したい人間でもあるので、買うことは買ったのである。そして、読むことは読んだのである。読んだ感想は、「駄作中の駄作だと、私も思います」というものだった。

そんなわけで、私は本書を所有しているものの、あまり「自分の蔵書」だという意識を持っていなかった。いつでも処分してやろうと思ったまま、21世紀になっても持ち続けていた。

で、このほど読み返そうとしたわけだが、正直、最後まで読めなかった。ほんとごめん。ほんとつまらない。
本書の内容は、本物の「吸血鬼ドラキュラ」のストーリーをたどる部分が多く、これを読むくらいなら、ストーカーのドラキュラを読む方が有意義な時間であると思えた。文章もストーリーも、何も面白くない。面白くない文章で「吸血鬼ドラキュラ」をなぞるな!

最後の結末も気に入らない。ホームズよ、対決しなさいよ、伯爵と。取り逃がすんじゃないよ、あの箱を。全然すっきりしない。全然すっきりしない!

ああ、わかっているとも。ホームズが伯爵を退治してしまったら、本家「吸血鬼ドラキュラ」が成り立たなくなるからね。(本書は、本家には隠れたエピソードがある、という態のもので、本家とまったく違うストーリーでした、という内容ではないのだ)ホームズは、すべてを途中にしたまま、ヘルシングたちヴァンパイアハンターズの勝利の結末にバトンタッチしていくので、非常に満足感が得にくい。どうしたらいいんだ。これならいっそ、「ヘルシング教授ではなくて、本当はホームズが解決したんですよ」という物語にした方が読書の満足感は大きかったのではないか。

……いや、それはまずいな。本家を台無しにするわけにはいかんだろう。本家をリスペクトしつつ、ホームズも活躍させなければならない。そんな方法があるのかどうか知らんが、とにかく現状のままではイカン。
一つ、良かったと思えることがあるとすれば、ルパン対ホームズみたいに、「ルパンを良く描くために、ホームズをアホにする」という手法は使わなかったことだ。伯爵も、ホームズもどっちもアホではないので、その点は安心して読めた。

んで、どうしようかこの本。再読しようとして、半分ほどでつまらなさに耐えられなくなった本なのだから、捨てよう、この際、……と、一瞬思ったのだが、ここまで嫌いなホームズ&ドラキュラパロディもめったにないなと考え、「好きな本」としてではなく、「奇書」として保存することにした。
とりあえず、まだ捨てずに持っておこう。

本作は、管理人の別ブログでも記事にしています。

シャーロック・ホームズ対ドラキュラ
(ドクターワトスンが書いた態の)ローレン・D・エスルマン作の小説。「シャーロック・ホームズ対ドラキュラ」のストーリー「吸血鬼ドラキュラ」に、実はホームズも参戦していたというストーリー。基本的には丁寧に「ドラキュラ」のストーリーをたどって、そ…

コメント

タイトルとURLをコピーしました