黄金の13/現代篇

居間の文庫本棚の、上段右から34番目。

「黄金の13/現代篇」エラリー・クイーン編 宇野利泰・他訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 660円

1945年に始まる、EQMM誌のミステリコンテストで、第一席を獲得した作品ばかりを13編集めたアンソロジー。さすがEQMMと言うべき、粒揃いの作品群である。収録作品は、

「戦士の星」マンリイ・ウェイド・ウェルマン
「名探偵、合衆国大統領」H・F・ハード
「裁きに数字なし」アルフレッド・セグレ
「幸福なるかな、柔和なる者」ジョルジュ・シムノン
「パリから来た紳士」ジョン・ディクスン・カー
「敵」シャーロット・アームストロング
「アデスタを吹く冷たい風」トマス・フラナガン
「追うものと追われるもの」スティーヴ・フレイジー
「二重像」ロイ・ヴィカーズ
「決断の時」スタンリイ・エリン
「黒い子猫」A・H・Z・カー
「物は証言できない」エイヴラム・デイヴィッドスン
「一滴の血」コーネル・ウールリッチ

この中なら、私は「パリから来た紳士」が好きだな。このラストは、ミステリファンなら、誰でも大喜びだ。こくの有る短編ミステリであるだけにとどまらず、こんな仕掛けを最後に見せてくれるから、大御所の作品は油断できない。
もう一作選ぶなら、ウールリッチの「一滴の血」がオススメ。
これは、殺人現場に残った、殺害の痕跡を隠す話である。
ぶっちゃけ、かなり他愛ない話であって、痕跡の隠し方がまったく非科学的であり、現在の警察の捜査なら、鑑識が入った時点で「物証あり」になると思われるようなものである。(執筆当時の警察の捜査も、多分ごまかせないと思うが)しかしながら、結末のちょっとした衝撃ときたらどうだ。ミステリの気持ちよさって、こういうものだなあと思う。

13編が、「良質なミステリ」を求めた結果、集まってきたものであることは、一読すれば明らかである。クイーンの、ミステリに対する見識の高さすばらしい!

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