風味豊かな犯罪 年刊ミステリ傑作選’76

居間の文庫本棚の、上段右から33番目。

「風味豊かな犯罪 年刊ミステリ傑作選’76」E・D・ホウク編 菊池光訳 創元推理文庫 1980年2月29日 初版 400円

アメリカ推理作家協会の、最優秀短編集受賞作を集めたアンソロジーである。収録作品は、

「風味豊かな犯罪」ジャック・リッチイ
「留置場」ジェシ・ヒル・フォード
「ラッフルズと嘆きの橋」バリイ・ペロウン
「トナカイの手がかり」エラリー・クイーン
「ミスター・バンジョー」チャールズ・ボークマン
「ストラング氏証拠のかけらを拾う」ウィリアム・ブリテン
「垣間みた死体」ポーリーン・C・スミス
「ろうそくの炎」ローレンス・トリート
「蠅叩き」フランク・シスク
「ファーガスン嬢対JM」ジェラルド・トムリンスン
「陥穽」ジェイムズ・ホウルディング
「ラヴ・ストーリー」ヘンリー・T・パリィ
「私立探偵ブルース」ビル・ブロンジニ
「些細な事柄」アイザック・アシモフ
「ベッドラムの奇計」リリアン・デ・ラ・トーレ
「メール・オーダー」ジョン・ラッツ
「レオポルド警部故郷に帰る」エドワード・D・ホウク

以上17編。
この本は、たった一作品が目当てで入手した。
無論、エラリー・クイーンの「トナカイの手がかり」がそれである。

入手する前から、私は「トナカイの手がかり」が、真のクイーンの筆によるものでないことを知っていた。
実質、書いたのは、このアンソロジーの編者でもあるホウク(ホウクというか、ホックと呼びたいが)なのだ。ホックの案と文に、ダネイがうるさくうるさく注文をつけて、クイーン名義で発表したものらしい。
ごく短いショートショートで、ダイイングメッセージものであるところがクイーン風である。
おっと。「クイーン風」などと呼んではいけないかな。一応、本家クイーンのOKが出ているわけだから。
「トナカイの」というタイトルからもうかがえるかと思うが、クリスマスストーリーであり、最後はエラリーが「今日はクリスマスだもんね」と言いながら子供たちの相手をするところなんざ、ちょっとO・ヘンリー風でもある。

実は、この本は私が購入したものではない。この本を「探している」とあるところで口走ったら、同好のお仲間が拾ってきて分けてくださったのである。深く、深く感謝しております。

「トナカイ」以外の16作も、もちろん私は読んでいる。
しかし、今発覚したのだが、「トナカイ」以外の作品を、恐ろしいことには、一つとして記憶していない。
どんな風な話しなのかも、まったく欠片も出てこない。
これは、私には珍しいことである。
「トナカイ」意外を完全に添え物として読んだか、じっくり読んだのに全作面白くなかったか、どちらかであるに相違ない。

タイトルから推測すると、「ストラング氏証拠のかけらを拾う」なんかが面白そうだ。
作家で判断すると、「ろうそくの炎」ローレンス・トリートか、「些細な事柄」アイザック・アシモフあたりがイケるのではなかろうか。
意外に好きなんだよねー、ローレンス・トリート。短編職人って感じで。
せっかく忘れているので、今から読み返そうと思います。さて、本当に面白いのかな。

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