※処分箱に移動しました。
「ノストラダムス メシアの法」川尻徹 二見書房 昭和63年9月30日 初版 750円
「日本SFごでん誤伝」に紹介されていたもので、うかうかと買ってしまった。古書で、Amazonで購入したが、いくらで買ったか覚えていない。
読んでみて、私はたじろいだ。
本を読んでたじろぐなど、滅多に無いことだ(唖然呆然とすることなら結構ある)。あまりにもすごいというか、粗いのである。本書は、タイトルを見て分かるとおり、いわゆる「ノストラダムスの大予言」を、著者なりに解釈、解説したものである。この解釈が、解釈でもなんでもないのであって、私は、これが一般向けの書物であることに驚きを禁じえない。子供向けの「フシギ関係本」なら、たまにこれくらいのものはあるように思うが、まともな大人がこれを読んでどう納得していいのか分からない。
私は、「ごでん誤伝」の紹介を読んでいたので、本書がトンデモ本であることは、重々了承して買ったのだ。「トンデモ本の中でも、かなりハイレベルのトンデモ本」であることさえ、分かって買ったのだ。それでも、この破壊力にはたじろがずにはいられない。
なんかもう、すべてがこじつけなのである。ノストラ本なんて、みんなこじつけさ、と言う人もいると思うが(私もそう思うことが多い)、それでも、こじ付けにもある程度の秩序というものがあるのが普通だと思う。本書は、秩序も何もないのである。
ノストラダムスの原文詩から、適当にローマ字を抜き出し、それを並べ替えて「明らかになになにを指している」とか言うのである。そんなこと言い出したら、自分の都合の良い文字を、どこからでも引っ張ってくればいいわけで、これのどこが「解釈」なのか、じっくり説明してもらいたいものだ。
例えばの話、上の行までの私の分の中に、「あ」「く」「ま」の文字が使用されているからと言って、「ノストラダムスの本をこき下ろしていると見せかけて、実は悪魔崇拝を奨励しているのだ!」と解釈するような乱暴なレベルなのである。
そして、ひっくり返って驚くのが、「ごでん誤伝」にも紹介されている「sapproche」という原文の語を、「札幌を意味している」と解釈している部分である。原文をローマ字読みして、日本語で解釈しているのだ。何をやっておるのだ。清水義範の作品の中に、「sick」が「疾苦」に通じる、などと言って、日本語と英語を同源だとする人が出てくるものがあるが、あれは笑えるパロディの中の話である。パロディでしか成り立たないようなことを、本気でやっちゃっているのである。
私は今、本書を処分箱にいれようか、それとも見せしめのために(何の見せしめだ?)とっておこうか、大いに悩んでいる。ここまでくると、博物学的な見地から、保存するのが義務のような気がしないでもない。
しかし、本書は、まだまだこの世に存在し続けると思われるので(「ごでん誤伝」によれば、本書は刊行時にベストセラーだったそうだ。古書市場からは、当分無くなるまい)、うちに置くこと無いかな、という気もする。
それより、本書を見ているうちに、むらむらと「川尻流で、別解釈をしてやろう」という欲求が湧き上がってくる。
なので、実際にやってしまおうと思う。久しぶりに本気の悪乗りスペシャルいきます!
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●ノストラダムスの、第一章64番の詩は、二行目の先頭文字が「Q」である。そして、4行目の先頭文字は「E」である。これは、エラリー・クイーンの出現を、ノストラダムスが予言しているのである。
●さらに、第6章96番の詩には、「calamite」(災厄)という単語が出てくる。明らかに、「災厄の町」が名作となることを予言しているのである。
●第6章番外の詩には、詩の先頭文字に「Q」が二箇所あらわれている詩がある。これは、作者クイーンが、実は二人いることを告げているのである。
●第9章62番の詩には、「s」「o」「g」「e」「t」「s」「u」の文字がすべて含まれていることに注目するべきである。ノストラダムスは、日本で草月流が盛んになることを見抜いていたとしか思えない。
●第4章58番の詩には、「a」「c」「a」「n」「e」という文字が含まれている。「acane」すなわち「あかね」=「茜」である。しかも、この詩が第4章に収録されているということは、ノストラダムスは「4番目の家元はacaneだ」と示しているのである。しかも、原文には「女」という単語がある。「4番目の家元は女である」ことまでも、ノストラダムスは示しているのだ。
●第9章12番の詩には、「s」「o」「g」「e」「t」「s」「u」の文字がすべて含まれているばかりか、原文を直訳すると、「新しい粘土を求める彫刻家 彼も弟子たちも黄金に どっぷりつかってしまうだろう」という意味がある。これは、もはや何の疑いも無く、草月流初代家元が、彫刻作品を作ったことと、彫刻素材の発見に貪欲であったことを示している。初代家元が、木に真鍮(真鍮は黄金色である)を貼ることを考案し、彼の弟子たちもそれを手本とすることを、ノストラダムスは完全に完璧に予言しているのである。
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………という感じですよ。川尻本も。(誇張なんてしてません)
しかし、この本、ベストセラーになったばかりか、第二弾なども出版なされたそうな。
誰が何のために読むんだ?


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