日本の伝統1 いけばな

居間の本棚(中)、棚№1。

「日本の伝統1 いけばな」伊藤ていじ・ドナルド・リチー 淡交社 昭和42年10月10日 初版 980円

古書で、豊田書店で購入。函入だったが、付箋を貼りまくっていたら箱に入らなくなり、結局箱は捨ててしまった。
本書は、「日本の伝統」というシリーズの一冊なので、いけばなの超専門書というよりも、一般的ないけばなの解説をした本である(「一般」よりはちょっと踏み込んでいるかな)。
本書では、ドナルド・リチーの筆による「いけばなの心」の一文がすばらしい。長く花を生けている人でも、ここまでの洞察はなかなかできないものである。多くの日本のいけばな研究者の言葉よりも、異邦の人の言葉が私の胸を打つとは、どういうことかと思う。
いけばなの実作者の多くは、自分が満たそうとしている欲求が何ものであるか、意外に理解していないものだ。だから、素人に「いけばなの何が好きですか」と言われて、誠実に答えようとするとハタと困ったりすることがある。困るのは、「何が好きか」を知らないからではない。好きな「それ」の名称を知らないだけである。
そういう、「絶対的に心の中にあって、よく知っているそれ」のことをリチーは言語で表して見せてくれた。
いけばなの作品を、作品そのものよりも言語で饒舌に説明することを私は好まない(好まないどころではない。アホだと思う)。しかし、「文化としてのいけばな」を言語で語れる人というのは、必要なのである。少なくとも、絶滅しちゃあ困るのである。こういう努力を、各流派はもっとできないものなのかな、と思う。

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