書斎の本だな(小)。
「髑髏検校」横溝正史 徳間文庫 2006年6月15日 初版 800円
古書で購入。どこで、いくらで買ったのかは覚えていない。
収録作品は、
「髑髏検校」
「神変稲妻車」
以上、2編。このうち、私は「髑髏検校」しか読んでいない。しかし、横溝好きな人によれば、「神変稲妻車」の方が面白いと思うよ、とのことである。
「髑髏検校」は、「吸血鬼ドラキュラ」の翻案である。本家「ドラキュラ」とどっちが面白いかなどと考えなくても良いのかもしれないが、トータルでは、やっぱり本家の方が私は好きだ。「髑髏」の方は、どうも途中からいろいろと端折りだすところが残念である。
登場する人物・場面には、色々と印象に残るものが多く、さすが横溝だと思う。
房総の鯨漁師たちが見つける謎の瓶詰手紙、
長崎の孤島で若い侍を襲う怪異、
夢遊病を患う姫君、
蜘蛛を愛でる狂人、
白狼のうろつく怪しい屋敷、
美しき二人の上臈「松虫」と「鈴虫」(このネーミング素晴らしい)、
……というように、場面場面は絵になるのだが、物語として大きな魅力が、やや乏しいと思う。
「髑髏検校」については、管理人の別ブログにも記事アリ。

私は子供のころに、テレビドラマの「髑髏検校」を見ている。耽美的なホラーで、とてもよろしいと思った。私は長い間、検校を演じたのはジュリーだったと思っていたのだが、たった今、wikiを見てきたら、なんと田村正和だった。どうやら、記憶の中で、いつからか「魔界転生」と混じってしまったらしい。だって、検校の正体は、あの人なのだから。
本書は、もっと本家から離れた方が、面白かったのではないかと思う。「検校は、実は吸血鬼で、それを見破った知恵者に滅ぼされる」という設定だけいただいて、あとの展開は勝手に変えてしまったら良かったのではあるまいか。
この検校ならば、読者を味方につけることは可能である。なにしろ、あの頃の田村正和をキャスティングする魅力を持ったキャラなのだ。たとえば、吸血鬼側への感情移入を誘ってみたらどんな物語になっていただろうか、などと妄想してしまう。

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