妖魔の宴 ドラキュラ編1

居間の文庫本棚の、三段目・右から31番目。

「妖魔の宴 ドラキュラ編1」菊池秀行監修 竹書房文庫 平成4年9月6日 初版 580円

吸血鬼もののアンソロジー。
収録作品は、

「ランプリング・ゲートの主」アン・ライス
「スタイルの問題」ロン・ディー
「選抜試験」エド・ゴーマン
「隠れ家の吸血鬼」ヘザー・グレアム
「十番目の学生」スティーブ・ラスニック・テム&メラニー・テム
「誰にも欠点はある」フィリップ・ホセ・ファーマー
「1944年のドラキュラ」エドワード・D・ホック
「ドラキュラの子供たち」ダン・シモンズ

以上、8編。
この中で、「ランプリング・ゲートの主」だけは熟読していない(読むことは読んだけど)。私は、ど~もアン・ライスという作家が苦手だ。ゆえに、現代のカリスマ吸血鬼:レスタト様とはお近づきになっていないのだ。
多分、私は、ある程度時代のついた吸血鬼小説が好きなのだろう。
そう言ったそばから矛盾しているようだが、このアンソロの中では、シモンズの「ドラキュラの子供たち」が好みである。
この作品は、「社会派小説風吸血鬼譚」とでも言えばいいか。
チャウシェスクの独裁政治による悲劇と、闇にうごめく吸血鬼どもの話をないまぜにした物語である。
この物語の中で、より残酷に感じられるのは、恐ろしいことに、「闇のモンスター:吸血鬼」ではなく、「チャウシェスク政治」の方である。
孤児院に押し込められている子供たちが、非人間的に扱われている様子の描写など、まるで地獄絵である。もちろん、この物語はフィクションなので、現実のルーマニアに、このような地獄絵が広がっていたはずはない。しかし、心優しい方は、読まれないほうがいいかもしれん。
地獄絵の後に、吸血鬼の皆さんの陰謀が出てきたときには、私はホッとしたくらいなのだから。

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