悪の起源

居間の文庫本棚の、二段目・右から14番目。

「悪の起源」エラリー・クイーン 青田勝訳 HPB 昭和34年12月15日 初版 220円

「自分の父親の元に、謎の人物から犬の死体が届けられ、それを見てショックを受けた父は死んだ……」
ハリウッドで執筆活動中のエラリーを、突然訪ねてきた女は、エラリーにこう語りだした。

一見、繋がりのない物が、次々と登場人物たちの元に届けられるという、謎めいた展開の物語である。エラリーは、意味が無いように見える一連の「贈り物」の謎を解くのに四苦八苦し、分かったときにはタップダンスで喜びを表現するほどの舞い上がり様である。
私も、エラリーに解いてもらうまで、一連の贈り物群が何を意味するのか、まったく分からなかったが、実は作品のタイトルを常に心の中に置いて読めば、わりと簡単に分かるのかもしれない。(あ、これネタバレになる?)

この作品は、後期のクイーンに多いタイプの、ちょっと妙な人たちのミステリである。
犯人もヘンなら、被害者もヘンだ。
特に、犯人がヘンだ。恨みを晴らすのに、もっとシンプルな方法がたくさんあると思うが。
大体が、登場人物たちのほとんど全員がヘンなのであって、(まともなのは、刑事のキース君と東洋人のイチローさんだけであるな)木の上に住むターザン男なんか出てきちゃうのだ。
最後の結末も、ヘンなんだか、深いんだか、私にはよう分からん。
こんな結末は、クイーン作品の中でも「悪の起源」だけである。

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