エラリー・クイーンの国際事件簿

居間の文庫本棚の、三段目・右から16番目。

「エラリー・クイーンの国際事件簿」エラリー・クイーン 飯城勇三訳 創元推理文庫 2005年7月29日 初版 900円

文庫一冊900円とは。本も高くなったものだ。
この本は、エラリー・クイーンが、世界各地の警察巡り歩いて、その土地で起こった変わった事件を取材する、という態で書かれた犯罪実話集。
つまり、クイーンの「推理小説」ではない。が、本物のクイーン(主にリーの仕事だったようだ)の筆によるものである。
どうも、実際に起こった事件の資料を、編集部がそろえてきて、それを元に、クイーンが執筆したらしい。
日本人が読んで「おっ」と思うのは、「帝銀事件」が収録されていること。しかし、犯人の名前が、なぜか「キヨシ・シムラ」となっている。(故意に別名にしたのか?)

この本が出る前に、訳者の飯城氏から、私にメールが飛び込んで来た。(クイーンの集まりで、年に数回お目にかかります)
何かと思えば、「花の名前を教えろ」というのだ。(私の本職は花関係なので)
「国際事件簿」のインドのエピソードの中に、「ゴールドモフールツリー」というのが出てくるので、その訳名に何がふさわしいか、考えておいでのようだった。
私も、インドのゴールド・モフール・ツリーが何なのか、即答できるほど、インドの樹木に詳しいわけではない。そこで、「少し待って」と返事を出し、あちこちの図書館に足を運んで調べ、
①ゴールド・モフール・ツリーの「ゴールド・モフール」とは、インドで流通していた金貨の名前である
②インドでは、ポピュラーな木で、街路樹に多い。
③赤い派手な花が咲く
④日本にも小笠原諸島に存在し、和名を「ホウオウボク」
⑤和名はあるけど、私が知らないくらいだから、知ってる人はほとんどいないよ。「ホウオウボク」と訳すのは微妙ですぜ
……以上の事実を飯城氏に伝えた。
私の、⑤の意見を取り入れてくださったのか、飯城氏は、最終的に「モフール金貨の木」と訳され、「モフール金貨」に「ゴールド・モフール」とルビを入れ、括弧で(和名ホウオウボク)と入れなさった。
興味のある方は、74ページの4行目を見てごらんなされ。

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