草月流 《非公式》 用語辞典

いけばな草月流の、非公式な専門用語辞典です。(草月に限らず、他のいけばな流派に共通するものも含みます)

野菜(やさい)

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野菜 果物 いけ花
野菜も、いけばなの花材として生けられる。

一般の人たちには、かなり特殊なことのように感じられる花材のようだが、戦後のいけばな界では、野菜をいけることは、特に珍しいとも言えない行為である。
ただし、いけばな師範を職業にしている人にとっても、「毎週のように生ける花材」とは言えない。ちなみに、管理人自身を例にすると、一年間に5~6回くらいは生けるかなあというくらいである。

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どんな野菜がいけばなになる?

生けられる野菜に、特に規制は無く、それを使ってよい作品になると思えば、なんでも生けてかまわない。

「なんでもいい」ので、使用される野菜の例を載せるのもためらわれるのだが、よく見かけるものとしては、
ピーマン、アスパラガス、大根、かぼちゃ、ブロッコリー、かいわれ大根、白菜、
などである。もちろん、これらの例以外の野菜も生けられている。
前に「なんでも良い」と書いたが、生ける状況により、悪臭がするような野菜は避けるべきである。(たとえば、たまねぎなどは使用する際に注意するべき)

人気があるのは、輸入物の、形や色が面白いような野菜である。食べ方があまり世間に認知されていないような野菜も、「いかにも食べ物」という印象から逃れやすいためか、人気が高い。

草月流のカリキュラムにも含まれている「野菜のいけばな」

草月流では、テキストにも野菜をいけた作品写真が載せられている。野菜作品は、草月流が初めてテキストを発行したときに、すでに掲載されていた。(テキスト2の、盛り物のページに掲載)
また、現在では、カリキュラムの中に「野菜・くだものをいける」という一項ができ、テキスト4で野菜か果物(もしくは両方)を生けるのが必須となっている。

野菜は、二代目家元のお気に入り

草月流では、1990年代に、特に野菜を生けることがはやった時期があった。
野菜流行のきっかけは、当時の家元、勅使河原宏氏が、花材としての野菜の面白さに、特に注目したことである。

家元のプッシュにより、野菜熱は流全体に広まり(この事実は、野菜をいけることが、いけばな家にとって素朴に楽しいことであることを示している)、この時期には、草月の流内誌「いけばな草月」で、野菜特集が組まれたこともある。
一時は、展覧会などで、野菜作品が乱立し、「流内での野菜流行」を知らない外部の人の目から見ると、奇異に映ることさえあった。

花材としてのメリットは?

実作者からすると、花展に野菜を使うことは、実はメリットが多く、

  • 給水させなくても大丈夫なものが多い
  • 見た目のインパクトが大きい
  • 嵩が同じなら、花よりも割安なことが多い
  • 品物によっては調達が花より楽
  • 何しろ、生けるのが面白いし楽しい

などの理由で、多くの作者から歓迎されることとなった。
デメリットがあるとすれば、

  • 野菜自身の面白さの乗っかって、安易な作品になる危険性がある
  • 作品として洗練させるのが難しいことがある
  • 「食べ物感丸出し」の状態を払拭するのが難しいことがある

などが挙げられる。
しかし、野菜をいけている人の顔は、総じて楽しげであり、花とは違う魅力をいけ手に与える素材であることは確かである。

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