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草月流 《非公式》 用語辞典

いけばな草月流の、非公式な専門用語辞典です。(草月に限らず、他のいけばな流派に共通するものも含みます)

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十文字留め(じゅうもんじどめ)

      2016/09/30

仕切り留めの一種。花器の中に、「十」の字型に棒を入れて花留めにする技法のこと。初心者にもできる技法であり、投入れの初心者が一番取っつきやすい花留めの作り方である。(慣れれば、添え木留めの方が留まり易い、と思う人が大半)

十文字留めとは、このようなものである。

単純に、2本の棒を筒の中に押し込んだものであり、押し込む棒の部分を「こみ」と言う。「こみ」の入れ方で、多彩な花留めを作ることができ、こみで作る花留めとしては、「十文字留め」は代表的なものではあるが、唯一のものではない。
たとえば、「一文字」「井」「キ」「*」などの形にこみを入れることができる。「この形にこみを入れる」という決まりがあるわけではなく、器や材料によって、都合の良い形のこみを、生ける都度考えれば良いものである。

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十文字留めの作り方

【1】まず、一本目の「こみ」を作る。筒の幅よりも、少し長めに切り、徐々に切り詰めて行くのが安全。

特に、慣れないうちは、適当に切り詰めていくと、短くしてしまって、使えない棒を何本も作ってしまうことがある。うっかりすると、「こみ」を作る枝が無くなることがあるので、注意すること。「こみ」に使う棒は、通常は枝物の切り落とした部分を使う。花ものでも、根元の方が木質化して硬いような植物なら使えることがある。

【2】「こみ」を、器の口よりも少し下の位置で固定する。

この状態ままだと、「一文字留め」。
「こみ」を留める部分は、器の口から2cm程度の場所にするのが普通だが、合理的な理由があれば、もっと深い場所に入れてもOK。
「こみ」は、ゆるくて落ちそうに感じるようなら作り直すこと。

【3】2本目の「こみ」は、一本目の下から入れる。

下から入れると、先に入れたこみもろともに、器の中に落としてしまう危険が少なくなる。

【4】下から入れた「こみ」を、力を入れて引き上げる。

力を入れずに、するっと上がるようではゆるすぎる。枝がきりきりするくらいのきつさが欲しい。
このように、「こみ」を入れるときは、器の中から大きな力が加わるので、薄手の器は割れる危険性さえある。十文字留めを入れるときには、あまり薄い器や、傷めると困る器、高価な器は避けた方が賢明。(管理人の稽古場では、過去に一回だけ十文字留めで投入れ花器が割れている)

【5】しっかりと強度のある「十」が出来ればOK。

必ずしも、「十」の方向で使うものではなく、「X」で使用してもよい。

【注意点】
十文字留めに花を生けるときには、四分割されたスペースを、四つ全部使わない方が良いとされる。その方が、入れる枝が交差して、留まりがよくなり、足元がしまって見えるという理由である。実際に生けると分かるが、3つか2つのスペースを使うくらいが、すらっとかっこよく生けられるものである。そのため、基本花型を生けるときには、よほどの理由が無ければ、「四つ全部使わない」ルールは守るべきである。(四つ使うと、注意する先生がほとんど)
自由花の場合には、死守するべきルールではなく、その作品の必然性を優先するほうが良い。

 - 花型・技法・技術など

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